ヘマタイト(赤鉄鉱 / Hematite)
ヘマタイトは条痕色が赤色を示す鉄の重要な鉱石で、古くは岩絵の具(顔料)として使われました。特徴的に光沢が強く、大きな結晶を研磨して反射鏡が作られたほどです。古くはブラッドストーン(血色)と呼ばれていました。

強い金属光沢を持つヘマタイト
基本情報
英名 | Hematite |
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和名 | 赤鉄鉱 |
化学式 | Fe2O3 |
分類 | 六方晶系 |
硬度 | 5~6.5 |
比重 | 5.1 |
透明度 | 不透明 |
特徴・バリエーション
- 条痕色(じょうこんしょく): 条痕色は赤色で、この性質から岩絵の色(顔料)として使用された。
- アイアン・ローズ: 鱗片状の結晶が放射状に集合して薔薇の花のように見える。
- 鏡鉄鉱: 大きなサイズの結晶で結晶面の光沢が強く、強力に光を反射する。
- キドニー・ヘマタイト: 腎臓状の集合体でコロフォーム組織を持つ。
産地・別名・処理・類似石
代表的な産地: スペリオル湖付近、世界各地の鉄鉱床。
別名: 黒ダイヤ(研磨面の反射光による)、スペキュラライト(鏡鉄鉱)。
処理: メッキ処理された製品がある。
類似石: 磁鉄鉱(Magnetite)、チタン鉄鉱(イルメナイト)
注意点:純粋な単結晶のものは磁性はありませんが、不純物として磁鉄鉱を含むものには磁性があります。中国で作られる偽物が多く出回っています。